福祉タクシーかごやブログ

看護師ドライバーによる福祉タクシー開業!身近な病気も解説

かごや 2号車出発します!

新年、明けましておめでとうございます。おかげさまで福祉タクシーかごやは廃業することなく、慎ましく活動させてもらっています。

さて、元旦よりかごやに2号車が入ってきました。軽自動車の福祉車両ですので、小回り性能を活かした活動が行えると思います。今回は本人よりコメントを貰いましたので紹介させていただきます。

「近隣の病院で6年間看護師勤務をしておりました。病棟勤務でしたが、病状的には退院出来るのに迎えの車が用意出来なかったり、終末期の患者様を家まで移動することが困難で外出を断念される方もおられたりともどかしい思いを多々しておりました。しかしながら、かごやが移動困難な方でも円滑に自宅に帰られるお手伝いをしていること、終末期でも全身状態の観察をしながらおうちのベッドまでお連れされ、本人や家族の笑顔を受けて嬉しかった等の話を聞き、自分もその人らしく生きられる喜びのお手伝いができると感じ、相談の上病院を辞め、幅広くかつ手厚くサービスを提供することができる福祉タクシーかごやに入職しました。皆様のご要望に応えれるよう精一杯努力致します。よろしくお願いします。」

福祉タクシーかごやは二人・2台体制となりますが看護師クオリティを保持しつつ皆様のお役に立てるよう頑張りたいと思います。

本年もよろしくお願いいたします。

 

プラたナスはやっぱり必要?

暑すぎる夏も少しだけ和らいで、パソコンの前に座りブログを書く余裕も出てきました(仕事が少なく暇との指摘もあり)。

ここ最近、2組の方の送迎を担当させていただきました。お二人ともいわゆる終末期の方です。

一人の方は一旦病院を退院して一週間ほど自宅で過ごして再入院という方でした。病院から家に帰ると、介護ベッドがありケアマネもお出迎えしてくださいました。訪問看護の方も後ほどやってくるとのことでした。

もう一人の方は病院から外泊という形で1泊自宅で過ごされました。普通のベッドにホームセンターで売っているような簡単なポータブルトイレが用意され、親族が集まって出迎えてもらいました。外泊の間、ずっと親族が見守っておられました。

入院中は介護保険は適用されません。いくら入院前にケアマネがついていたとしても入院中は何もできないのです。だから退院という形をとった方は介護保険制度を使うことができるのです。同じ一時帰宅でもこんなに違いがあるのです。まして外泊ができず自宅外出の方はすべて家族が介護しなければならないのです。

介護保険制度を云々言うつもりはありません。ただ、以前にも書きましたがやっぱりプライベートで頼めるナース(プラたナス)は必要かな?って思います。自宅に帰る前から病院と連携し、その人に必要な看護処置を習得して、帰宅してから再度病院に行くまで看護師が付添い、本人も家族も安心して過ごしてもらいたい。まだ夢想中ですが、こんなサービスに関わることができたらいいな!ってね。

もし利用したいって方や他のケアサービスを使いたいって人に一言だけお伝えします。外出・外泊中は介護保険が使えません。介護保険で1割負担のサービスは自費だと10倍費用がかかります。それでも利用する価値は十分あると思います。もし私が病院に入院して、終末期を迎えるなら少しでも家に帰りたいって思うからです。

ガンで死ぬ という生き方

 

医療従事者として30数年働いてきました。5年前、約30年失明したまま生きていた父を見送りました。父の死後、認知症が悪化し10分前のことを覚えていない母を先般見送りました。常に死というものに身近であった私の一つの考えをお話しします。

 

昭和時代のガン治療は疼痛コントロールの概念が弱く、ひたすら病巣を切除していくといったものでした。当然、末期は痛みや苦しみが強くなります。肺がんになった方は私に「ずっと水の中で溺れているようだ」と訴え、苦しみぬいて亡くなられました。看護師として対応していても悲しくてやりきれない気持ちになり、いざ自分がそうなると思うと恐怖でした。

ところが最近はいわゆる緩和ケアが発達し医療用麻薬も飲み薬や貼り薬、直接脊髄に注入する等その人にあった疼痛コントロールができるようになりました。ホントにシンドイのは数日間であるように思えます。

事故で死ぬのは突然、なんの心構えも準備も家族への遺言もなく死んでしまいます。また長寿社会になったとはいえ、認知症を患ったり体の麻痺がきたりで最後の言葉も告げれずに病院・施設あるいは自宅で亡くなることも多いのが現実です。

ガンを宣告され、治療しても余命宣告を受けることがあります。けどそれからしばらくは身辺整理をしたり家族と話をしたり、あるいはやりたかったことしたりしてから最期を迎えることができます。一概に死に方を賛美するわけではありませんが、ガンで死ぬということは、人間的に案外幸せな最期かもしれません。

人生の後半戦、こんな思いで生きてみるのも悪くないかなって考えています

便利グッズ紹介

あけましておめでとうございます。昨年は皆様方に大変お世話になりました。本年もよろしくお願いいたします。

さて、タイトルのとおり昨年購入した便利グッズを紹介したいと思います。

病院でよく見るスライディングボード。ベッドからストレッチャーに移る際に軽い力で患者さんにも侵襲が少ない便利なボードです。芯材の周りに竹輪のように滑りの良いナイロンシートが付いてキャタピラのように移動できます。ただ、かなり高価で一般家庭で簡単に購入できるもではありません。

 そこで

2枚購入しました。本来なら図のように背中に挿入してベッド頭部からずり落ちた体をスムーズに上に押し上げることができます。

福祉タクシーではベッドからストレッチャーやリクライニング車椅子に移乗することが多々ありますが、限られた人員で行うため抱えたり引っ張ったりでお客様にも迷惑が掛かります。そこで、現場経験が豊富な私が(ひそかな自慢(笑))行っているのはこのシートをお尻に横に如いてベッドから移乗を行う方法です。最近の電動ベッドはちょうどリクライニング車椅子と同じ高さになることが多く、一番体重が掛かるお尻に敷くことによって驚くほど軽く移乗できます。ストレッチャーへの移乗はお尻と背中に2枚入れて移乗します。

お家で介護されている方も力任せでベッドの上側にずり上げる必要がなくなるので一度お試しすることをお勧めします。

胃ろう(PEG)に関する一考察

終末期の方の退院のお手伝いをさせていただきました。コロナのせいで入院していれば誰とも会うことも出来ず家族としては看取りまで在宅介護するお気持ちでした。「周りの親族は何で胃ろうでもして長生きさせないのか!って言われましたけど、本人も嫌がっていたしもう充分です」という家族の言葉を聞いて自分が病棟で看護師をしていた時を思い出しました。

もう意識がない、または認知が進んで食事を食べることも忘れているといった方が胃ろうをしてずっと何年も入院していることがざらでした。「本当は延命は希望してなかったけど親戚に怒られたから胃ろうした」「このままだと見殺しにするようなもんだってお医者さんに言われた」等々の結果です。本人が元気な時に延命を希望していなくても家族が説得に折れてしまうことのほうが多い気がします。

そして胃ろうで延命しても文句を言った親族は見舞いにも来ずDrも胃ろうが安定したら次の施設を探すよう言われ半ば見捨てられたようになっている。チューブを抜く可能性があるから抑制や患部に手が届かない保護衣を着させられる。おむつ交換や褥瘡防止のために自分の意思も関係なしに体を転がされる。注入前にはルーティーンで誤嚥防止のため!と苦しい気管内吸引をされる。本当にこれが本人の希望でしたか?

もちろん回復の望みがあれば胃ろうによる一時的な栄養補給は必要だと思います。ALSの方のように自らが熟慮して胃ろうをしながら生きることも否定はしません。けれど今のような胃ろうの使い方は正しいのでしょうか?高齢者医療費の急増に伴い、一般の医療保険のように3割負担となっても家族・親族は希望するのでしょうか?

あくまで個人的な気持ちですが、私自身は無駄な延命を希望しませんし、家族が同じ状態になっても延命希望はしません。皆さんはどうお考えでしょうか

新型コロナの話

お久しぶりです。雲南市福祉タクシーも「福祉タクシーのたけだ」さんが開業され、現在4社が運行しています。忙しいときはお互いスケジュール調整して利用者の方に不便がないよう運行状況を確立しつつあります。とはいうもののこちらも稼働が減少し痛し痒しではありますが・・・

暑すぎる夏のさなか、行動制限のない夏ということで我が家にもコロナがやってきました。家族一人が熱発、コロナ陽性となりその後次々と感染していきました。私は1回目の抗原検査で陰性だったため濃厚接触者扱いでしたが、症状出現後5日目に陽性診断されました。とりあえず、現在までの状況を報告し少しでも参考になればと考えています。

1日目:のどの痛み。発熱なし。抗原検査陰性

2~4日目:状態変わらず

5日目:若干の息苦しさありSpO2測定で91~94%、体温37.1℃。抗原検査陽性。医師から中等症の診断あり入院も勧められたがこの程度で医療機関の迷惑になるなあ、って考え自宅に帰宅。安静にしていると95%位まで上昇。咳は時々、痰が出にくいといくか、気管支に貼り付いているような感じです。

6日目(本日):SpO2が93~96%で呼吸苦は軽減。体温も正常になりました。

 

うまくいけば23日には自宅療養終了予定です。この間、仲間の福祉タクシーノア3兄弟におんぶにだっこです。ごめんなさい!家の周りや田んぼの雑草が生き生きと伸びていますが、私は自宅警備員をまっとうしています( ノД`)シクシク…

 

2周年!ありがとうございます。

不安しかない開業当時から比べると、地域の方々の役に立っていると実感することが多くなり、料金をいただいた上に感謝の言葉をかけていただき、本当に楽しい業務を行うことができて幸せ者の私です。そんなこんなで2年が経ちました。

便利な移動手段である福祉タクシーの存在が雲南市にあることが徐々に認知され、やがて時間のブッキングにより断らざるを得なくなる状態もあり、この1年色々考えました。「困っているから電話してこられる。それを断るのは開業当時の理念から外れてしまう。」悩んだ末にたどり着いた結末は増車ではなく、同様の志を持った有志を探すことでした。何人か声をかけ、手を挙げてくれた一人に今までのノウハウを全て公開し、今年、その人も開業することができました。それが「福祉タクシーきらり」です。

現在、雲南市には大先輩の一人と私たち二人の合計3台の福祉タクシーが稼働しています。あくまでも地域に密着し、地域のためにこれからも頑張っていきたいと思います。昨年度も記載しましたが、この1年間の活動データを掲載します。今後とも皆様よろしくお願いいたします。

 総走行距離 50600Km

 実走距離 19767Km

 運行回数 1575回

 輸送人員 2369人