福祉タクシーかごやブログ

看護師ドライバーによる福祉タクシー開業!身近な病気も解説

胃ろう(PEG)に関する一考察

終末期の方の退院のお手伝いをさせていただきました。コロナのせいで入院していれば誰とも会うことも出来ず家族としては看取りまで在宅介護するお気持ちでした。「周りの親族は何で胃ろうでもして長生きさせないのか!って言われましたけど、本人も嫌がっていたしもう充分です」という家族の言葉を聞いて自分が病棟で看護師をしていた時を思い出しました。

もう意識がない、または認知が進んで食事を食べることも忘れているといった方が胃ろうをしてずっと何年も入院していることがざらでした。「本当は延命は希望してなかったけど親戚に怒られたから胃ろうした」「このままだと見殺しにするようなもんだってお医者さんに言われた」等々の結果です。本人が元気な時に延命を希望していなくても家族が説得に折れてしまうことのほうが多い気がします。

そして胃ろうで延命しても文句を言った親族は見舞いにも来ずDrも胃ろうが安定したら次の施設を探すよう言われ半ば見捨てられたようになっている。チューブを抜く可能性があるから抑制や患部に手が届かない保護衣を着させられる。おむつ交換や褥瘡防止のために自分の意思も関係なしに体を転がされる。注入前にはルーティーンで誤嚥防止のため!と苦しい気管内吸引をされる。本当にこれが本人の希望でしたか?

もちろん回復の望みがあれば胃ろうによる一時的な栄養補給は必要だと思います。ALSの方のように自らが熟慮して胃ろうをしながら生きることも否定はしません。けれど今のような胃ろうの使い方は正しいのでしょうか?高齢者医療費の急増に伴い、一般の医療保険のように3割負担となっても家族・親族は希望するのでしょうか?

あくまで個人的な気持ちですが、私自身は無駄な延命を希望しませんし、家族が同じ状態になっても延命希望はしません。皆さんはどうお考えでしょうか