福祉タクシーかごやブログ

看護師ドライバーによる福祉タクシー開業!身近な病気も解説

1メーター

開業当時からのお付き合いの方がおられます。その人は神経難病で、歩行も会話も徐々に落ちていき屋外の移動はほぼ車椅子の生活となっています。自宅から自分の経営する店までの移動をお手伝いさせて頂いています。とはいっても私の営業所から10Kmほどお迎えに行って、実走距離は1メーター。車で走る時間より、車椅子に移乗したり荷物を積んだりする時間のほうが長くなります。正直、経営的にはプラスにはなりません。

ただ、かごやを使ってもらうと体や心の状態がすごくわかるんです。自宅から出るときは声も弱々しく、足取りも重い。けど、店に迎えに行くと声は張りがあり足もよく上がるようになっています。神経難病の病棟に5年いたことがある私は、下手なリハビリよりこの生活リハビリ(?)のほうが何十倍も効果があることを実感させられました。私がこの方のQOL向上の一役を買っていることが単純に喜ばしいです。

それと、この方と信頼関係が確立したのも一個人として嬉しい限りです。なんせ、「財布から取ってね」と言って鞄ごと渡してもらい、そこからタクシー料金を頂くまでの関係になっちゃいましたから。

たかが1メーター。しかし、介護保険を使わないかごやに対して貴重なお金を使ってもらえ、尚且つ私に感謝してもらえる。やりがいって言葉が今の私の原動力です。(写真はイメージです)

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